2016年3月1日火曜日

機会をとこしえに逃さないで!

これこそ、実行しなければならない事がらです。ただし他のほうも、なおざりにしてはいけません。(ルカ11・42)
 
あなたのしもべたちにみことばを大胆に語らせてください。(使徒4・29)
 
 私が学校を出てからちょうど一夏訪問している間に、私とほぼ同年代の少女たちが一クラスで私のところに数回やって来ては、一時間歌を歌っては帰って行くときがありました。それはほんとうに愉しいときでした。その少女たちは喜んで賛美歌を歌っていました。彼女たちは私が時間や表現について言わねばならなかったことや歌詞についてはさらに恥ずかしくなる危険をおかしながらなす感想に対しても少なからず最大の注意をもってことごとく聞いてくれたのです。

 時々私は後で大通りを降りて行く彼らと一緒になりました。そのうちの何人かに会う時はいつも笑みをもって接し、互いにやさしいことばを何度となく交わしたのです。そのことばで、少女たちが私を大層気にいっているように見えました。数年して私は少女たちの一人のベッドのそばに座っていました。彼女は心も頭脳もどちらも少女たちの中ではもっとも賜物を与えられていた少女でした。

 彼女は長期間にわたる深刻な患いをとおして私が味わったよりもはるかに明確な光の中に不思議な方法で導かれ、二つ以上の道で、さらには私がかつて経験したことよりもはるかに輝かしいキリストの証人となりました。

 彼女は私にこのような歌唱クラスにいた時、自分がどんなに悲しそうにそして一心にイエス様を求めていたかを話してくれました。それなのに私は全く何も知らなかったのです。なぜなら私は尋ねられもしなかったし、少女は少女で恥ずかしさのあまり最初話しもできなかったからです。

 けれども彼女はこの時私にもっと多くのことを話したのです。そしてどのことばも私にとっては心の痛みでした。どれだけあの夏の夕べ大通りを、私が彼女に救い主について話してくれるのを待ち焦がれてゆっくり歩いていたものか。来る週も来る週も私がちょっとばかり彼女を助けるために手を伸ばして、自分に神様の平安のメッセージの一言葉でも言ってくれるかどれだけ期待していたかと言うのです。それなのに私はすばらしい賛美歌とその曲について愉しい一般的な感想を話していたばかりなのです。私は一切福音を伝えることをしなかったのです。

 そして彼女は数ヶ月間、私が思うには数年、光と喜びなしに過ごしたのです。その喜びと光は彼女の人生に私が伝えることができる特権であったのにです。

 神様は他の手段を選ばれました。神様がキリストに与えなさった魂は人間の働きが不真実であったからといって捨てられないのです。しかし彼女は言いました。そしてそのことばはしばしば私の耳に、私が機会を逸するように試みられるたびに鳴り響くのです。「ああ、フランシスさん、私はあなたのものだったはずなんですよ(あなたから福音を聞かせていただくはずだったのですよ)!」

あなたのものは主の贖われた者に喜びと栄誉をもたらす 
来たるべき主と王の戴冠式のための宝石です
あなたは主の喜びを分け合う喜びを捨てるのですか 
ひとことばのためにすべてを、
それとも
イエス様があまりにも大変なようにみえてあなたはあえてそれができないのですか

(今日の箇所はhttp://bibletruthpublishers.com/march-1-opportunities-gone-forever/frances-ridley-havergal/opened-treasures/f-r-havergal/la97225です。

第2章 光彩(7)The Life Story of F.R.Havergal by Jennie Chappellより
 この生きた、しかし語られることのない福音、この全人格をとおして輝く喜ぶ心の「良きおとずれ」はあらゆる説教よりももっとも力あるものです。けれどもフランシス・ハヴァガルは他の人々の前で自らの信仰告白を言い表わし、人々に直接訴えることをはっきり言い表わすことだと強く信じていたので、後年自分がこういう印象深いアイルランドの若い少女たちにもっと自由に話さなかったことを非常に悲しみをもって遺憾に思ったのだ。

 私はここまで訳して不思議な思いに満たされている。と言うのは、今日のハヴァガルのテキストとこの伝記は出典が全く別のものでそれぞれの順序に従って私が自由に訳してきたのに、今日の箇所がぴったりと重なり合っているからだ。まさに神業としか言いようがない。詩篇139・1〜2そのままの思いがする。

 このことはハヴァガルが決して忘れることの出来ない教訓となった。これ以後、彼女はたとえ数分間の間でも仕事であろうと娯楽であろうと話す機会がある人々には、神様の前にいる魂の救いと状態について数語の簡潔なことばで話さずに立ち去ることがないように努力するようになった。) 

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